ペットの譲渡には契約書(誓約書)を

犬や猫などのペットは、どのような状況におかれたとしても基本的に飼い主の世話の仕方を受け入れるしかありません。飼育放棄や虐待、劣悪な環境におかれてもペットは飼い主に文句を言ったり拒否することができません。ペットたちの生活を守るためには、ペットの譲渡段階でしっかりと契約を交わしておくことが非常に重要になります。

ペットの譲渡契約書は法的に必要なものではありませんが、ペットを守るための重要な書類となります。新しい飼い主が適切な環境で飼育することを契約で約束させることができるからです。特に個人間での譲渡やインターネットを通じた里親募集では、トラブル防止のために契約書が大きな役割を果たします。

契約書に盛り込むべき主な内容

  • 譲渡人・譲受人の氏名・住所 契約当事者を記載し、飼育義務を果たすべき当事者を特定します。
  • ペットの詳細(種類・年齢・性別・特徴など) 種類や特徴などペットの個性に関する情報です。
  • 飼育条件(室内飼育、医療管理など) 飼育環境や健康管理、予防接種、病気やケガなどの注意事項など
  • 返還条件(契約違反時、飼育困難時など) 契約違反の場合は返還し、ペットを救えるようにします。
  • 譲渡日・契約日
  • 所有権の移転に関する記載
  • その他
(例)ペット譲渡契約条項(抜粋)

譲受人甲と譲渡人乙は、乙が犬(柴犬、オス、令和7年1月1日生、茶色 1頭)を甲に譲渡することを約し、甲は下記の項目を遵守し終生愛情と責任を持って育てることをここに誓約する。

  1. 譲受人による適切な飼育
    譲受人甲およびその家族全員は本契約に本譲渡犬を家族の一員としてその終生責任を持って適切に飼育し、いかなる理由をもっても飼育放棄はしない。
  2. 所有権について
    譲渡後の所有権は本契約締結をもって譲受人甲に移るものとする。ただし、本契約書の記載内容に対して違
    反がある場合、甲に虚偽の事項がある場合、その他飼育するうえで不適切な場合は、譲渡犬の所有権は乙に戻され、甲は譲渡犬を返還しなければならない。
  3. 費用について
    譲渡に関する費用(保育費、駆虫、去勢・不妊手術、ワクチン、ウィルス検査、交通費等)が発生する
    場合は、譲受人甲が負担する。但し、費用が明らかに高額な場合は、譲渡人・譲受人が協議の上、決定する。
  4. 下記事項を禁止することとし、甲はこれに従う。
    ①譲渡人乙の承諾を得ず、別の譲受人への譲渡又は売り渡すこと ②暴力、水や餌を与えない、必要な運動をさせない、他の犬等と喧嘩させるなどの虐待行為 ③繁殖目的での飼育 ④暴力や苦痛を伴うようなしつけ ⑤その他譲渡犬の平穏な生活を脅かす行為
  5. 医療及び看護ついて
    譲受人甲は、譲渡犬の飼育環境を整備し、健康管理を行い、必要に応じて獣医師の適切な医療を受けさせなければならない。また、去勢・不妊手術を受けさせ不必要な妊娠・病気の予防に努め、 駆虫し、伝染病などの病気の予防を行い、ワクチン接種、健康診断等適切な医療を行わなければならない。
  6. 行政に関する手続き
    譲受人甲は、各種法律、条令等に従い、譲渡犬の登録、犬鑑札や注射票の装着、散歩時のリード使用などを遵守し違反してはならない。
  7. 譲渡人への報告
    譲受人甲は譲渡人乙から、報告を求められた場合、飼育の状況について写真、ビデオなどを用いて報告しなければならない。また、譲渡犬が死亡した場合は、譲渡人乙にその旨を連絡しなければならない。
  8. 本契約書は2通作成し、譲渡人甲・譲受人乙がそれぞれ1通ずつ保管する。

ペットの健やかな生活や譲渡後のトラブルを防ぐためにも、契約書、誓約書などの書面をつくることを是非お勧めします。

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