
行政書士が行うペット関係業務は、動物の飼育・販売・管理に関する法的手続きや書類作成を中心に、ペットビジネスや動物愛護に関わる分野で幅広く活躍しています。以下に代表的な業務を紹介します。
動物愛護法は年々改正されており、2020年以降は罰則強化やマイクロチップ義務化なども進んでいます。行政書士はこうした法改正にも対応し、飼い主や事業者が適切に動物を扱えるよう支援する存在です。
動物取扱業の登録申請
動物取扱業の登録申請とは、ペット関連の事業を行う際に必要な法的手続きであり、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」に基づいて、事業者が都道府県などの自治体に対して行う登録申請です。これにより、動物の適正な管理と福祉を確保することが目的とされています。
- ペットショップ、ブリーダー、トリミングサロン、ペットホテルなどを開業する際に必要
- 都道府県への「動物取扱業登録申請書」の作成・提出代行
- 事業所の構造設備基準や飼養管理基準の確認・助言などです。
動物愛護法関連の書類作成
動物愛護法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)に関連する行政書士の業務は、動物の適正な飼養・管理を促進し、動物の福祉を守るための法的手続きや書類作成をサポートするものです。特にペット事業者や多頭飼育者、動物保護団体などにとって重要な役割を果たします。
- 飼い主の責任に関する誓約書や譲渡契約書の作成
- 多頭飼育届出(自治体によって義務化されている場合あり)
- 飼育放棄や譲渡に関するトラブル予防のための文書作成
ペットに関する契約書・同意書の作成
ペットに関する契約書・同意書は、飼い主・譲渡者・事業者・里親などの間でトラブルを防ぎ、動物の福祉を守るために非常に重要です。行政書士はこれらの文書を法的に整備し、安心してペットと関われる環境づくりを支援します。行政書士は、こうした契約書を個別の事情に合わせてオーダーメイドで作成できます。ペットとの関係を「感情」だけでなく「法的な安心」で支えるために、契約書はとても有効です。
ペット譲渡契約書
- 保護団体や個人がペットを譲渡する際に使用
- 飼育条件、返還条項、譲渡後の報告義務などを明記
- 虐待・放棄防止のための誓約事項を含む
里親誓約書・同意書
- 里親制度を利用する際に交わす文書
- 飼育環境の維持、医療費負担、定期報告などの義務を明記
- 多頭飼育や繁殖の禁止条項も盛り込まれることが多い
ペット預かり契約書(ペットホテル・一時預かり)
- 預かり期間、料金、緊急時対応、損害賠償責任などを明記
- 病気・事故時の対応方針(獣医受診の同意など)
ペットレンタル契約書(展示・撮影用など)
- 使用目的、期間、管理責任、返却条件などを記載
- 動物福祉に配慮した使用制限も必要
ペット信託契約書・飼育委託契約書
- 飼い主が亡くなった後のペットの世話を信頼できる人に託す契約
- 飼育費用の管理、後継飼い主の指定、信託財産の運用方法などを明記
ペット同居に関する同意書(賃貸住宅など)
- ペット飼育を許可する際の条件(種類・頭数・騒音対策など)
- 原状回復義務や近隣トラブルへの対応方針
飼育放棄・譲渡に関する覚書
- 飼育継続が困難になった場合の譲渡条件
- 一時預かりや保護団体への引渡しに関する合意事項
契約書作成のポイント
- 動物の種類・性格・健康状態を明記
- 緊急時の対応(病気・事故・災害)を事前に取り決める
- 飼育環境や責任範囲を具体的に記載
- 契約違反時の対応(返還・損害賠償など)を明確にする
ペットビジネスの開業支援
ペットビジネスの開業支援とは、ペット関連の事業(ペットショップ、ブリーダー、トリミングサロン、ペットホテル、しつけ教室など)を始める際に必要な法的手続きや許認可取得、契約書整備などを行政書士がサポートする業務です。動物愛護法や関連条例に基づく規制が多いため、専門的な支援が不可欠です
動物取扱業登録申請の代行
- 都道府県への申請書類作成・提出
- 飼養施設の構造・設備基準の確認と改善アドバイス
- 動物取扱責任者の資格要件の確認(愛玩動物飼養管理士など)
法人設立・事業計画支援
- 株式会社・合同会社などの設立手続き
- 定款作成(事業目的に「動物取扱業」明記)
- 開業後の許認可取得スケジュールの整理
契約書・同意書の作成
- ペット譲渡契約書、預かり契約書、ペット信託契約書など
- 利用規約、免責事項、損害賠償条項の整備
開業に伴う届出・法令対応
- 多頭飼育届出(自治体による)
- 保健所・消防署への届出(施設の衛生・安全管理)
- 動物愛護法・狂犬病予防法などの遵守支援
ペットに関するトラブル予防
ペットに関するトラブル予防の業務は、飼い主・事業者・近隣住民・譲渡先などとの間で起こり得る問題を未然に防ぐために、行政書士が法的文書や制度活用を通じて支援するものです。感情的な対立に発展する前に、ルールを明文化し、責任の所在を明確にすることが目的です
契約書・誓約書の作成
- 譲渡契約書・里親誓約書:飼育条件、返還条項、医療費負担などを明記
- ペット預かり契約書:ペットホテルや一時預かり時の責任範囲を明確化
- ペット信託契約書:飼い主死亡後の飼育責任者と費用管理を定める
内容証明郵便の作成
- 鳴き声・臭い・放し飼いなどによる近隣トラブルへの警告文
- 飼育放棄や虐待が疑われる場合の通知文
- 契約違反(譲渡条件不履行など)への是正要求
多頭飼育・飼育環境の改善支援
- 自治体への多頭飼育届出書類の作成
- 飼養管理基準に基づく環境改善アドバイス
- 飼育放棄リスクへの予防的措置(譲渡先選定支援など)
飼育ルールの明文化支援
- マンション・賃貸住宅でのペット飼育同意書
- ペットイベントでの参加者誓約書・同意書
- 施設利用時の免責事項・損害賠償条項の整備
大切な命を末永く守るために
当事務所は、ペット事業者・飼い主・保護団体の皆様を対象に、動物愛護法や関連制度に基づく法的支援を行っています。譲渡契約書の作成から動物取扱業の登録申請、トラブル防止施策まで、安心して動物と暮らすための法務をサポートします。
動物は「モノ」ではなく「命」です。行政書士として、動物福祉と法令遵守の両立を目指し、飼い主・事業者・保護団体の皆様を全力で支援いたします。お気軽にご相談ください。
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