みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
民法第890条において、被相続人の配偶者は常に法定相続人となります。では、30年添い遂げた「内縁の妻」と、30年音信不通の「戸籍上の妻」がある場合、相続人はどちらになるのでしょうか?
民法では、法定相続人は「法律上の配偶者」と定められており、婚姻届を提出していない内縁の妻には法定相続権はありませんので、法律上の配偶者が法定相続人となります。
配偶者とは
配偶者とは、夫婦の一方からみた他方、すなわち、夫からみた妻、妻からみた夫です。民法上、配偶者は親族として法定相続人となります。配偶者となるには、「婚姻」することが必要であり、婚姻は「婚姻意思の存在」と「婚姻届の提出」により成立します。
婚姻を解消しない限り配偶者の身分は継続する
一方、婚姻関係が正式に解消されない限り、法的な配偶者としての地位は継続します。婚姻の解消事由として離婚(協議・調停・裁判)、一方の配偶者の死亡、婚姻の取消・無効(例外的)があげられますが、このような事由がない限りは、婚姻関係は終わりません。
「気持ちが離れている」とか、「長年連絡を取っていない」という事実だけでは、法的には何の効力もありません。たとえ30年間音信不通でも、婚姻関係が解消していなければ相続権は残ります。
「内縁の妻」は法律上の「配偶者」に該当しません
民法では、法定相続人は「法律上の配偶者」と定められており、婚姻届を提出していない内縁の妻は法律上の配偶者に該当せず、法定相続権はありません。たとえ30年間一緒に暮らしていたとしても、戸籍上の婚姻関係がない限り、内縁の妻は自動的に遺産を相続することはできません。
内縁の妻が財産を受け取るには?
- 遺言書を残してもらう:被相続人が「内縁の妻に財産を遺贈する」と明記すれば、遺贈として受け取ることができます。
- 生前贈与:生きているうちに財産を贈与しておくこともできます。
- 生命保険:受取人を内縁の妻に指定しておくことで、保険金は内縁の妻のものになります。
- (特別縁故者制度:法定相続人がいない場合ですが、家庭裁判所の判断で財産を受け取れる可能性あり)
「内縁の妻」との関係を法的に守りたい場合は、正式な婚姻届の提出や、遺言書の作成などの対策が不可欠です。
 
  
  
  
  
